ゴルフ場100箇所の保険評価事例
マルチロケーション物件に対するサンプリング(モデリング)手法
1. ケース
ゴルフ場100コースの保険価額(再調達価額)の評価
2. 背景
施設の所在地が全国各地に分散するマルチロケーション物件の場合、在来の手法で保険評価を行うためには、全数を数年に分けて実地調査(実調)を行い、評価結果を積み上げる必要があります。
ただし、手続きが煩雑で時間が掛かるため、第三者評価機関による評価が省略され、保険に付けられている金額が正しいのかどうかにつき、保険会社もその顧客も、確信が持てないまま放置されてしまうケースも多いです。
施設のパターンが比較的均質で、いくつかに分類できるケースでは、サンプリング(モデリング)手法の適用が有効です。
具体的には、まず顧客との打ち合わせにより、施設のパターンを把握し、各パターンの総数に対し20%相当以上の物件を選定します。これらをサンプリング的に実調し、各物件を個々に評価のうえ、各パターンに対するモデルを設定。残りについては、設定したモデルを適用し、実調を行わずに机上で評価します。
この手法は、欧米では一般的に利用されており、保険評価以外の目的にも利用されています。
3. 評価の進め方
(1)顧客からの提出資料
各コースに係わる固定資産台帳(EXCEL)、クラブハウスの写真、固定資産税課税明細書コピー、構内建物配置図等
(2)主なスケジュール
- 1) 提出資料・データの分析
- 顧客からの提出資料完了後、約1~2週間で、コース別のパターン(松竹梅)を設定、実調20コースの選定案を作成。
(注) ゴルフ場の場合、保険価額が最も大きいのはクラブハウス建物であり、そのグレードにより松竹梅3パターンの設定が可能です。 - 2) 選定20コースの実調および評価:約3ヶ月
- 3) 松竹梅各パターンのモデル作成、および残り80コースの机上評価: 約1ヶ月。
- 4) 評価書の提出:顧客より評価結果に了解をいただいてから約2週間。
4.サンプリング手法によるメリット
(1)サンプリング手法を使用した場合、在来の手法
(年間20コースずつ5年掛けて評価した場合を想定)に比べ、評価料を半分に節減でき、調査期間も5分の1に短縮することができました。
(2)バブル期に建築されたクラブハウス建物については、建築m2単価が標準的な範囲を大幅に超えるものがありました。再調達価額(=同種同一規模の建物を再築するコスト)を算出する観点から、建築m2単価を標準的な範囲に入るように見直しを行い、保険金額をより実態に合うレベルにすることができました。
5.まとめ
アメリカン・アプレーザルは、上述のほか、様々なマルチロケーション物件に対しても、欧米で一般的に利用されているサンプリング手法を用い、正確かつ、効率的に、保険評価サービスを提供しています。
