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企業結合会計基準の動向に関連して(取得資産の評価)

日本の企業会計基準において、既に減損会計が数年前に適用されていますが、2011年3月期から以下に記述する企業結合に係る改訂の適用が開始されました。これらの改訂は将来的に検討される国際財務報告基準(IFRS)のアドプションを待つまでもなく、IFRSとの主要な差異を解消する動きの一環です。今般の改訂で影響度が大きい事項として、本邦の企業結合会計で利用されてきた持分プーリング法の廃止があります。ここでは、被取得企業の資産、負債の時価(公正価値)を算出するとともに、帳簿に記載されていない無形資産の新たな識別、評価が必要となります。

以下、企業結合会計における取得資産・負債の評価の手順につきご説明します。

(1) 企業結合における取得原価の配分(パーチェス・プライス・アロケーション:"PPA")の考え方
(ア) プーリング法を廃止し、パーチェス法適用するに際し、企業結合は取得企業による被取得企業(事業)(以下「ターゲット」)の支配獲得とみる。
(イ) 取得企業は取得に要した取得原価によりターゲットの資産・負債を取得する。
(ウ) ターゲットの資産・負債はBS科目の公正価値のみならず、新たに識別された無形資産の公正価値を含む。
(エ) 取得原価が上記(ウ)の合計価値と一致しない場合、残余としてののれんが認識される。

(2) 取得原価の決定
(ア) 取得原価=取得の対価+取得に直接要した費用
(イ) 取得の対価には、現金、現金以外の資産の引き渡し、負債の引き受け、発行した証券(株式等)を想定。

(3) 取得原価の配分:取得原価を識別可能な資産へ公正価値で配分する。
(ア) 金融資産等の公正価値
(イ) 有形資産の公正価値
space ① 不動産
space ② 動産(機械・設備・車輛・ファイナンスリース等)
(ウ) 識別された無形資産の公正価値

(4) 無形資産の識別
(ア) 法律上の権利など分離して譲渡可能なこと
(イ) 法律上の権利には、特定の法律の基づく知的財産権(所有権)、独立した第三者と締結した契約の基づく権利で未履行のもの(業務委託、請負、フランチャイズ等)
(ウ) 分離して譲渡可能な無形資産は、企業(事業)と独立して売買可能なもの、取得した資産を譲渡する意志の有無に拘らず、単独で譲渡可能であれば要件を満たす。

(5) 無形資産の評価
(ア) 観察可能な市場価額がある場合、あるいは市場参加者が利用するであろう情報や前提がある場合は少なく、企業独自の情報や前提で評価するケースが大多数。
(イ) 評価手法としては、コストアプローチ、インカムアプローチ、そしてマーケットアプローチがあるが、評価対象により利用可能なデータ等を考慮し、最適な手法を選択して評価。
(ウ) 無形資産の見積耐用年数は、有限かあるいは確定できないか等個別に判断。
(エ) 耐用年数が有限の無形資産は当該経済耐用年数(EUL: Economic Use of Life)に亘って規則的に償却。
(オ) EULが算定された固定資産であっても帳簿価額が回収可能価額を上回ることを示唆する事象または状況変化がある場合は減損テストを実施。

(6) その他
(ア) のれんの償却・非償却判断は企業会計基準委員会(ASBJ)にて議論されており、減損テストの適用資産範囲の検討も含め、今後の動向に注意が必要。


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