有利不利な契約の評価 - Favorable or unfavorable contract -
近年、IFRS(国際財務報告基準書)やUSGAAP(米国会計基準)のPPAの際に、契約内容の有利不利に関する評価の照会が新たに脚光を浴びています。
1)有利不利な契約 - Favorable or unfavorable contract - の評価とは
現在の契約内容が一般的な契約内容と比べて、Favorable - 有利又はUnfavorable - 不利 と判定された場合に、その経済価値を測定し、有利と判定された場合には資産、不利と判定された場合には負債、としてそれぞれバランスシートに計上されます。有利不利な契約の主な代表例は、サプライヤー契約や不動産の賃貸借契約などがあります。その為、事業評価・無形資産の評価と不動産の評価の双方からのアプローチが不可欠となります。
■有利不利な契約の考え方(有利な契約の場合)
2)有利不利な契約 - Favorable or unfavorable contract - の具体例(無形資産)
「被買収企業は、サプライヤーとの間で、長期間にわたって市場の価格よりも有利な価格(低価)で原材料の供給を受ける契約を結んでいました。サプライヤーとの有利な契約は、無形資産の認識基準である「法律上の権利」に該当するため、資産計上されました。」
3)有利不利な契約 - Favorable or unfavorable contract - の具体例(不動産)
<ケース1>
「日本企業同士の買収であったが、その被買収企業の資産には全国数十か所の店舗(全て所有資産ではなく、賃借店舗)がありました。これらの店舗のうちいくつかの店舗ではキャッシュフローがマイナスであり、減損の兆候が見られましたが、調査の結果、現在の賃料が市場の賃料よりも非常に高額であることが判明しました。その結果、いくつかの契約内容について不利な契約として負債計上されました。」
<ケース2>
「中国企業が日本企業を買収し、その被買収企業の資産のうち、定期借地権のある賃貸用のショッピングセンターがありました。建物からの家賃収入よりも定期借地権のために支払う地代が高額であり、キャッシュフローはマイナスとなっていました。その為、実際の地代の金額ではなく、合理的に算定した市場の賃料に基づく地代の金額を前提に評価を行い、その結果、定期借地権のある建物の評価額はプラスとなり資産計上され、同時に、その地代についての不利な契約がマイナスとなり負債計上されました。」
4)IFRS(国際財務報告基準書)とUSGAAP(米国会計基準)の相違
下記の通り、USGAAP(米国会計基準)では被買収企業がlessee(賃借人)かlessor(賃貸人)かは不問であり、IFRS(国際財務報告基準書)では被買収企業がlessee(賃借人)の場合のみ、契約内容の条件が市場の賃料と比較して、有利か不利かの判定を行う場合があります。
5)参考
オペレーティングリース組成のための評価について
■問い合わせ先 事業評価担当「河合」・不動産評価担当「五十嵐」